セミナー

【一般会員様も参加OK】 ※本セミナーはWEB視聴のみとなります

第105回 自分と相手の「願い」を引き出すLove(受容力)とPower(実現する力)の磨き方

セミナーレポート

11月のスキルアップセミナーの講師には、
組織変革コンサルタントとして活躍中の渋谷聡子先生にお越しいただきました。

現在、さまざまなセミナーや書籍などで
“自己を理解し、受容することが重要”と言われていますが、
「一体、どうすれば“理解”や“受容”ができるのか……」
と、難しさを感じることも多いですよね。

今回のセミナーでは、
自分の境界線を“既知の領域”から“未知の領域”へ広げていくためのワークを通じて、
自分と相手の「願い」を引き出す“受容力”と“実現する力”についての理解を深めました。

企業や学校などで週4本のペースでセミナーに登壇されるという渋谷先生。
『セミナーでお話するとこちらが元気になるんです!』というお言葉通り、
朗らかな雰囲気でセミナーがスタートしました。

私たちの意識のうち、言語化できないものを「潜在意識」といいますが、
この中で「思考」と「感情」の違いって何でしょうか?
よく使う言葉ではありますが、いちど整理してみましょう。
思考→「社会的にどうすることが正解か?」を導き出すこと。
感情→「自分にとって何が大切か?」を教えようとすること。

<自分の境界線(エッジ)を探究する問い>
ここでまず、「自分の境界線」を知ることから始めます。
「自分の境界線」とは、
自分が受け入れられたり慣れ親しんだりする「既知の領域」と
自分では受け入れられない「未知の領域」の境目のこと。

「自分の境界線」を知るために、下記のワークを行いました。
1)受容することが難しい、対応に困る、苦手だと感じる相手はどんな人ですか?
2)自分らしさを発揮できない場面は、どんな時ですか?どんな傾向がありますか?

今回は「こちら秘書室」事務局スタッフが実際にワークを体験。
1) の「苦手と感じる相手」について
「前職の上司が威圧的で、何を言っても否定的。仕事で成果を出しても心から喜べなかった」
という例を挙げました。

この例の中にはどんな「べき」があるでしょうか?
そして、「こうであるべき」の奥にある「願い」とは……。
※皆さまも、ぜひこの中の「べき」を想像してみてください。

<感情のメッセージを受け取る>
自分の中の「べき」が探し出せたら、
その感情が伝えようとしているメッセージに耳を傾けてみます。
これは、アメリカの臨床心理学者マーシャル・ローゼンバーグ博士によって
体系化され、提唱されたNonviolent Communication(NVC)の手法のひとつ。

「嬉しい」「楽しい」「悲しい」「怒り」などの感情の奥には“願い”が隠されており、
その“願い”=“ニーズ”を「ニーズリスト」から探っていきます。
「前職の上司が威圧的で、何を言っても否定的。仕事で成果を出しても心から喜べなかった」
というスタッフの例の奥にはどんな願い(ニーズ)が隠されているのか……。
このセルフワークをすることで
自分の願いを自覚でき、自己共感を高めていくことができます。

「相手を深く理解するためには、自分を深く理解することから。」
という先生の言葉がとっても印象的でした。

<「べき」と「願い」の違い>
「こうあるべき」の奥に「願い」がありますが、
じつは両者は表裏一体の関係でもあるそうです。
「こうあるべき」は「正しさ」であり、「願い」は「大切にしたいこと」。
どちらに関わるかでその先が大きく変わってきてしまうこともあります。

相手に「こうあるべき」で接すると脅しになってしまうこともあるため、
「○○してくれると嬉しい」などの「願い」をわかち合うのがポイント。
また、相手から「べき」をぶつけられた場合は、
その奥にある「願い」を探るようにすると、相手を理解できるかもしれません。
渋谷先生はお子さんとお話しした様子を例に挙げ、分かりやすく説明してくださいました。

<自分の受容力(Love)と願いを実現する力(Power)を高める>
人と組織の進化に必要な2つの要素である
「力 Power」と「愛 Love」は互いに補完する関係といわれています。
「力」は「○○させる」から「○○する」へ、
「愛」は「迎合・諦め」から「受容」へ、
それぞれ進化させることで、「自分の境界線」を広げることができます。

<「役割」から「存在」へ>
私たちは、大小さまざまな組織やコミュニティに属しています。
組織や社会、コミュニティにおいてどんな存在でありたいか? を考えたとき、
全体を俯瞰する意識を磨いてみましょう。

組織を俯瞰し、さまざまな立場の方の「願い」に耳を傾けてみます。
リーダー的な存在、肯定派、否定派、静観する人……。
自分はどこにいるのか? どの相手に意識を取られがちか?
そして、それぞれの立場の「願い」は何なのか……。
紙に書き出してみることで、整理することができます。

組織の中で対立が起きてしまうのは、「手段」「やり方」が異なるから。
「願い」を共有することで、同意はできなくても「理解」「共存」につながります。

まずは、自分がコミュニティの中でどんな存在でありたいか。
そして、そのために何ができるのか。
この一歩を踏み出すことで「正しい」生き方から「自分らしい」生き方へ。
『「他者目線の仕事」をすることが多い秘書の皆さんだからこそ、
ひとりひとりが「変化の源」になってくださいね。』
という渋谷先生の優しい言葉で、セミナー本編が終了となりました。

90分という大ボリュームのセミナーでしたが、
じっくりと「自分」に向き合えた方も多かったのではないでしょうか。
セミナー後には多くの質問が寄せられ、
皆さまがさまざまなシーンで抱えるお悩みを共有し、
対処方法や解決法を導いていきました。

クリアな声で明るく話す渋谷先生のセミナーで元気づけられた方も多いと思います。
「ニーズリスト」は手帳などに挟んでいただき、
受け入れられない何かがあった場合に見るようにすると、
「自分の願い」に気づけるかもしれません。ぜひご活用ください!

「こちら秘書室」では、今後も秘書の皆さんの業務に役立つ情報発信をはじめ、
さまざまなセミナーやイベントの開催を企画してまいります。
メールマガジンやHP、公式Instagram(@secretary_g_offficial)をチェックしてみてください!
「こちら秘書室」公式Instagramは随時更新予定。
皆さまの「いいね」はもちろん、コメントもお待ちしております!

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参加した秘書からの声

  • 自分の感情のコントロールだけは、秘書を何年やっても難しいと思ってました。でも今日からはまず自己共感!自分らしくあるためにも心がけたいと思います。非常に良いセミナーでした。ありがとうございました!!

  • 今とても悩んでいて、そんな自分にとってヒントになる内容にとても感謝します。先生の笑顔に心がホッと癒されました。もっと自分を大切にして、願いに目を向けて行けたらと思っています。ありがとうございました。

  • 秘書は孤独で、相談する場がない方が沢山いると思います。今日のセミナーのように、心のあり方、持ちようなど、普段の何かヒントになるようなセミナーは非常にありがたく思います。

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講師 渋谷 聡子(しぶたに・さとこ)

渋谷 聡子 氏

・組織変革コンサルタント 

株式会社ベネッセコーポレーションにて、進研ゼミ中学講座の全国添削指導員(赤ペン先生)育成マネージャーを経て、e-ラーニング新規事業の立ち上げに従事。独立後、「個人と組織の可能性を最大限引き出す」をテーマに、経営者、政治家、アスリートなどに対するエグゼクティブコーチングを行う。
2009年、国学院大学大学院神道学にて、神話や社会形成の原理による持続可能な共同体のあり方と「学習する組織」や「U理論」における組織開発の潮流の比較研究にて修士号を修了。多方面のクライアント(企業、省庁、自治体、学校法人、医療法人など)にダイアログ(対話)をベースとした持続的な組織形成のコンサルティングを行う。
また、日本女子経営大学院の立ち上げ及び講師を通して、日本における次世代女性リーダー育成に力を注いでいる。

開催概要

開催日時 2021年11月25日(木) 19時00分~20時45分 予定
開催場所

今回のセミナーはWEB視聴のみとなります

※皆様お間違えないようご注意ください

※本セミナーはZoomでの配信となります。当日はZoomにてご視聴ください。

参加人数

先着500名様